
こんにちは、なおみです!
我が、岡山県の障害者アートを盛り上げる
イベントが先日ありました。
去年まで勤めていた職場のご縁で
司会のオファーをいただき
イベントの司会進行をつとめさせて
いただくこととなりました。
#念のためにわたしの華麗な滑舌披露するよ

となりの客は
よくきゃく(柿)きゅー(食う)
きゃきゅ(客)だ…
うん。言えん。
そんなこんなで、
イベント中の市長さんのスピーチが
とても印象に残っているので
今回の記事は、
そのお話を共有させていただきます。
「情熱的に語りがちなやり手の市長」
それでもって「弾き語りしがち」と
岡山県民に聞いたら
きっと思い浮かぶ人物は一択でしょう。

同県の人は、あの市長かな〜と
顔を思い浮かべながら読んでいただければなと
思ったりしていま…
読者に岡山県民の人がいるので
身内ネタを挟んじゃいました。
…すみません。笑
さて、
去年までわたしが勤めていた福祉施設は
障害者の就労支援を行う事業所です。

(上↑のイメージ画像は介護ですが
実際にやってるのは就労サポート)
一般企業ではたらくのは難しいけど
軽作業などであればお仕事ができる
障害を持った人たちに向けて
職員がサポートをしつつ
はたらく場を提供していく感じの場所。
もちろん、利用者さんには
工賃(お給料)やボーナスが出ます。

が、
そこで問題になっているのが
工賃の低さ。
わたしの住む市の
平均工賃は2,000円/月。

…え?
って思いましたよね。
かなり低いと感じたと思います。
わたしの勤めていた施設は
月々の工賃がだいたい8,000円前後だったので
平均額に比べるとプラスではありましたが、
利用者さんは週5日6時間すごします。
そう考えると決して高くはないことが
お分かりいただけると思います。
工賃の低さが問題視されている最中、
新型コロナウイルスが流行して
さらに打撃を受けます。

そんな中…
あれは、
店頭からマスクが消えた
2020年2月のこと。

その光景を目の当たりにした市長は
瞬間的に「いま、障がい者がマスクを作ったら売れる!」
とビビッときたそうで。
ここから、我が市では
障害者が作るマスク販売計画が
はじまりました。
障害は大きく分けて
知的障害・精神障害・身体障害に
分類されますが
マスクを縫うのが得意な事業所
ロゴを貼るのが適任な事業所
紐を通すのが向いている事業所
繊細なことはできないけど梱包ならできる事業所
などなど
それぞれが得意な分野を担当して
市内のさまざまな事業所が協力して
役割分担式にマスク製造がスタートしました。

行動力に関しては
光のスピードなみなやり手の市長は
マスクが消えた翌月の2020年3月には
障害者が作ったマスクの販売を開始。
4月にはAmazonにて全国展開。
そのスピード感のおかげで
およそ5万枚が1ヶ月ほどで売れたようで
全国からご購入の問い合わせが来ました。

できあがったマスクを封筒に入れて
発送できる状態にする部分を
わたしの事業所では担当していましたが
北は北海道、南は沖縄まで
ありがたいことに追いつかないくらいの
ご予約をいただきました。
当時のペースだと
4年待ちとかになる勢いとかで。
もちろん、4年もお待たせしません。
そこで出来上がった図がこちら↓

障害を持つ人たちが健常者を雇う世界
障害者の工賃が低い理由として
企業の下請け作業を受けていることが
1つあります。
わたしも職員として働いていたときは
さまざまな企業に利用者のサポート役として
出向していました。
食品工場の一角で、コンテナ洗浄
桃のシーズンには選果場で桃の箱折り
市の公園を委託清掃 など

ではなくて、
障害者サイドがお仕事を発注する。
マスクの製造が追いつかないから
『来月までに◯枚作ってほしい』
障害者がこれを健常者へ
発注するのです。
おもしろい関係性ですよね。
機械なみに正確な障害者の目
例えば、自閉症の利用者さんは
良くも悪くもこだわりを持ちます。
電車では同じ席にしか座らないとか
通勤は必ず同じ道を通るとか
お昼ご飯は絶対に12時14分からとか
その中でも、たてよこが
ぐちゃぐちゃになっていると許せない
が、あったりします。

納品されるマスクのロゴが
少し斜めになっていると「これはダメ」と
誰よりも正確に除くことができるのです。
かなり助かる。
余談ですが、
障害がありながらも驚異的な能力を
持っている人はたくさんいます。
たとえば上記のこだわりのケース以外にも
一度、読んだだけで暗唱できたり

一度、聞いただけで完コピ演奏できたり

一度、見ただけで狂いもなく描けたり

わたしが支援していた利用者さんの中には
「1996年2月16日は何曜日?」と
テキトーな年月日を聞くと
「◯曜日!」と
カレンダー計算が
瞬時にできる人がいました。
20年前だろうが10年後だろうが
ものの2秒くらいで答えるのです。
東大王クイズの出演者も
敵わないことでしょう。

どんな才能が眠っているか
分からないものです。
それを引き出してどう活躍の場を提供するかも
我々、職員の腕の見せどころでといったところ。
そんなこんなで月収が10倍に
問題になっていた平均工賃2,000円/月が
マスク販売のおかげで結果的に
20,000円/月にまで上がりました。
あっぱれ!
誰1人として能力ゼロな人は
障害者にも健常者にもいません。
どこでどんなチカラを発揮するかで
アナタの輝きを変えられる。
発想の転換です。
なんだか、
1つ前のガラクタでも売れる話とも
少し似ていますが
ゴミはゴミ箱の中では
価値を見出せませんが
場所を変えると
値段がつくことだって
全然ある。

自分の得意な経験値や好きな知識が
輝いてくれる場所がどこかにある。
ウケがいいからとか
見た目がいいからとかで
あえて苦手なことをする必要はなくて。
アナタのちょっと好きなことや
ちょっと得意なことを胸を張って
世の中に与えていけるといいですね。
『こんなちっぽけなこと誰も求めてないよな…』
そう思うこともあるでしょう。
悲観してしまわずに堂々と。
そして、画面の奥には
人がいることを意識して発信していく。
アナタの価値が膨れ上がる場所を
探していきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
なおみ🌻
p.s.
いや〜、司会進行が無事につとまって
ホッとひと安心だ〜〜〜〜〜〜〜